『内なる神とつながる方法』レビュー|自己の奥にある神性への旅

内なる神とつながる方法 チョプラによる本
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本書『内なる神とつながる方法』は、ディーパック・チョプラ博士が「神を知るとはどういう体験なのか」という根源的な問いに、心理学・神経科学・哲学・スピリチュアルな洞察を交えながら迫った一冊です。本レビューでは、本書が提示する多様な神観や意識の構造をたどりながら、私たち自身の内面と向き合うきっかけを探っていきます。

レビュー執筆:カレン・ダービー(Karen Darby)

カレン・ダービー

著者紹介:イギリス・エセックス在住のライター、カレン・ダービー(Karen Darby)は、長年にわたりスピリチュアルなテーマの書籍を愛読してきました。ディーパック・チョプラ博士をはじめ、ダイアナ・クーパー、ジェイミー・サムズ、ニール・ドナルド・ウォルシュ、イザベル・フォン・ファロワ、そしてウェイン・ダイアー博士など、多くの著者から書物を通じて影響を受けてきました。本稿は、彼女が最も愛するジャンルであるスピリチュアル分野における、初の公開レビューとなります。今後もこの分野で書き続けていくことを願っています。

私自身そうなのですが、こんな疑問を抱いたことはないでしょうか。
同じようにスピリチュアルな道を歩んでいると語る二人が、なぜか互いに共感できず、ときには相手の信念や考え方を理解することすら難しいのはなぜなのだろうか」と。

ある人にとっては内的成長に欠かせない、刺激的で重要な探究が、別の人には非現実的な空論や、意味のない言葉遊びのように映ることもあります。

たとえば、ウィッカの儀式を通して四季の永遠性とつながることが、ある魂にとっては至高の交感体験である一方、別の人は宇宙の本質を思索し、科学的データを丹念に読み解くことで、同じ「永遠」への扉を開こうとします。(ちなみに、理論物理学者ミチオ・カク博士が語る「宇宙は10次元で構成されている」という説は正しいのでしょうか。あるいは、さらに多くの次元が存在するのでしょうか。)

また、仏教における「大鐘の声明グレート・ベル・チャント/ The Great Bell Chant)」の音色とリズムが、別の誰かにとっては無限なるものに触れる感覚をもたらすこともあります。

神へ至る多様な道

ここまで読んでいただければ、私の言わんとするところはすでにお分かりかもしれません。
私たちは皆、本質的には同じ人間同士かもしれませんが、スピリチュアルな使命や探求のかたちは、驚くほど多様です。そして実際、その多様性は現実のものとして存在しています。

この違いを単に「文化の違い」と片づけてしまうのは、十分とは言えないでしょう。もちろん文化的背景が探求の道筋に大きな影響を与えることは確かですが、現代に生きる多くの人々は、自身のルーツにある複数の伝統を参照しながら、きわめて個人的で独自の内的進化の軌跡を描いています。

地球上の人の数だけ、スピリチュアルな表現のかたちが存在すると言っても、決して誇張ではありません。そう考えれば、「創造主」あるいは「神」に対する見方が人それぞれ異なるのも、きわめて自然なことだと言えるでしょう。

ディーパック・チョプラ博士は、この現象を『内なる神とつながる方法』の中で、きわめて体系的に考察しています。本書は、私たちが投影と内省を螺旋状に繰り返しながら、「決して完全な答えを得ることはできない問い」と向き合い続ける、その全体像を俯瞰的に示してくれます。それは、自立した探究者である人間が、長く脇に置いておくことのできない問いでもあるのです。

スピリチュアルな旅

内なる神とつながる方法|ディーパック・チョプラによる本

混沌より秩序を求める人間の心理

チョプラ博士は、人間の最も深い心理的欲求を満たすためには、宇宙とその中での自分の位置づけを理解する際、混沌よりも秩序が優位に立つ必要があると強調します。この考え方は、人類の発達そのものにとって公理的(自明)な前提であることが示されています。

進化の過程において、人間の脳と神経系は、「私たちは何者なのか」「どこから来て、なぜこの地上で生きているのか」という問いを解釈するためのインターフェースとして機能するようプログラムされてきました。そして同時に、それらすべてを可能にしている、目に見えない神秘的な力についての理解も、そこから形成されていきます。

秩序を求めるこの内的な要請に従い、私たちが認識する「神」の性質は、それぞれが立っている個人的進化の地点から生まれます。

言い換えれば、私たちの神観は、避けがたく自らの意識の反映なのです。

内なる神とつながる方法 ディーパック・チョプラ

チョプラ博士によれば、その意識の枠組みは、人間の社会生物学的反応として組み込まれた「七つの段階」のいずれかに基づいて形成されます。闘争・逃走反応から、神聖さへの応答に至るまでのこれらの段階は、「守りの神」から「純粋な存在としての神」に至る、七つの異なる神のアーキタイプを生み出します。

段階神の名称意識の状態
神の具体的なイメージ・言葉
第1段階守りの神(God the protector)生存本能
恐怖から守ってくれる存在。罰を与え、報奨を与える厳格な親のような神。
第2段階戦う神(God the almighty)自己主張
自分の味方をして敵を倒してくれる神。力と勝利をもたらす神。
第3段階全能の神(God of peace)内省・平穏
秩序と法を司る神。人生に意味を与え、正義を貫く支配者としての神。
第4段階平和の神(God the redeemer)直感
許しと理解の神。心の安らぎを与え、すべてを包み込む慈愛の神。
第5段階創造の神(God the creator)創造性
無から有を生み出す力を貸してくれる神。意図と目的を実現させる知性の神。
第6段階奇跡の神(God of miracles)予知・覚醒
不可能なことを可能にする神。魔法のような力と、聖なる奇跡の源泉。
第7段階純粋な存在の神(God of pure being—“I Am”)悟り・合一
分離のない「空」であり「すべて」。自分自身が神の一部(あるいは神そのもの)であると知る段階。

神は、私たちが自分自身をどう見るかに合わせてその姿を変える。

ディーパック・チョプラ

神との7つの段階 ディーパック・チョプラ

内省への招待

一見するとごく常識的で、率直な指摘のように思えるかもしれません。しかしこの考えを本当に心に留めたとき、その意味は私の内側で大きく反響し、深い自己評価を促すものとなりました。

突然、日々の言葉や行動の一つひとつが、現在進行形で築かれていく「個人的な現実」を形づくる、欠かすことのできない要素として見えてきたのです。「思考を制することこそ、最も高次の祈りである」と言われてきた理由も、自然と理解できるようになりました。

さらに、他者の動機に対しても、より深い思いやりを持てるようになりました。

  • なぜ、あの人は難解で古典的な文献の細部にそこまで没頭しているのだろうか。
  • なぜ、あの人は教会の慣習を大胆に解釈することに、強い反発を覚えるのだろうか。
  • なぜ、あの人は「タイミングこそすべてだ」と強く主張するのだろうか。

そこに共通していたのは、探求の道への深いコミットメントと、揺るぎない個人的確信でした。それらは、その人自身の世界観において、呼吸をすることと同じほど切実で、欠かすことのできないものだったのです

スピリチュアルな旅 自己反省

内なる神とつながる方法|ディーパック・チョプラによる本

多層的な現実

人生が展開していく中で、これらの気づきのニュアンスを丁寧に見つめ直すことは、私たちにとって不可欠でしょう。その過程で浮かび上がる
私は、どのような神に忠誠を捧げてきたのだろうか
という問いは、他のどんな問いよりも、私たちを魂の核心へと近づけてくれるものかもしれません。

可能性の全体像を見渡すための、広がりある視野を得るにはどうすればよいのでしょうか。チョプラ博士は、そのために「現実を多層構造として捉える必要がある」と明確に述べています。

  • 物質的現実(Physical Reality):私たちが五感を通して体験する世界
  • 量子的現実(Quantum Reality):エネルギーが形へと変わる準備段階にある移行の領域
  • 仮想的現実(Virtual Reality):物質や量子の次元を超え、時間や空間が意味を持たない根源の領域

この拡張された視点に立つことで、人間の反応段階の後半に現れる、いわば超日常的な知覚が自然に理解できるようになります。
もはや「自分には見えないから」という理由だけで、他者が体験している現実の正当性を疑うことはできなくなるのです。

内なる神とつながる方法 ディーパック・チョプラ

魂の二つの側面——ジーヴァ(個我)とアートマン(真我)

チョプラ博士が提示する、人間の成長段階や課題、そして神観を丹念に描いた地図は、それだけでも人生観を揺さぶるほど豊かな内容ですが、本書にはさらに、私たちの世界観の輪郭をより鮮明にしてくれる重要な洞察が含まれています。

博士は古代ヴェーダの教えに触れながら、西洋ではあまり知られてこなかった「魂の本質的な二重性」を紹介します。魂の真の姿は、次の二つの側面から成り立っているとされます。

  • ジーヴァ(Jiva):多くの生を巡りながら、最終的に神の完全な認識へと至る個別的な魂
  • アートマン(Atman):神の本質そのものであり、純粋で変化せず、常に神性と一体である普遍的・永遠の霊

この記述を読んだとき、私は強い逆説を感じました。
時間と空間という幻想の中で、私たちが重ねてきたすべての努力や探求は、結局のところ「本来の自分を思い出す」ためのものだったのではないか、という気づきです。

一時的な自己像と同一化することをやめたとき、私たちはより深く、自らの霊的な根源へと潜り、永遠の一部としての自分を定義し直すことができるのです。

内なる神とつながる方法 ディーパック・チョプラ

思いやりをもってエゴと向き合う

正直に言えば、私がこのチョプラ博士の独自の提案を、心から理解し受け入れるまでには、10年近い年月が必要でした。

本書に示される真理は、必ずしも消化しやすいものではありません。自分が「目指すべき覚醒した存在」としてではなく、エゴに突き動かされた振る舞いをしていると気づいたとき、私の虚栄心は何度も打ち砕かれました。

しかし、エゴと戦うべきだと説く思想とは対照的に、チョプラ博士はきわめて穏やかなアプローチを採用しています。

「何が本当に現実なのか」に意識を向けることで、私たちは小さな自己が幻想を真実であるかのように受け止めている様子を、ただ観察することができます。そして、必要なバランスを思い出させてあげればよいのです。それはまるで、幼い子どもの成長を見守る賢明な親のような態度です

もし恐れから反応してしまったことに気づいたとしても、責める必要はありません。ただ、「平安から生まれた反応を、私は選びたい」と、あらためて思い出せばよいのです。

自己慈悲

内なる神とつながる方法|ディーパック・チョプラによる本

まとめ:意図が人生を形づくる

チョプラ博士が繰り返し語るように、魂の探求に「終わり」はありません。私たちは完成された存在になるためにここにいるのではなく、魂からの衝動が何を探究するよう促しているのかを見極めるために生きています。

真に統合された状態から生まれる意図においては、おそらく不可能なことなど存在しないのでしょう。

なぜ神を知ろうと努力するのかと問われたなら、私の答えは利己的なものだ。私は創造者になりたい。これこそがスピリチュアリティの究極の約束であり、自分自身の存在の著者となり、個人的な運命を創り出すことができるということだ。脳はすでに、無意識のうちにその役割を果たしている。

ディーパック・チョプラ|『内なる神とつながる方法』

そして最後に、私自身の言葉以上に力強い証しが、この本の表紙に印刷された、ある短い祝辞であることを指摘せずにはいられません。10年前、その言葉は磁石のように私を引き寄せました。それは、迷路から抜け出すための道筋を照らす、一本の輝く糸のようでもありました。

その言葉を寄せたのは、ほかならぬダライ・ラマ法王です。

ディーパック・チョプラ博士の、この素晴らしい著書を祝福します。

内なる神とつながる方法 ディーパック・チョプラ

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